Drupal開発実績 G空間情報センター

G空間情報センターウェブサイトのスクリーンショット

私たちの暮らしの中には地図や位置情報が様々な分野で利用されています。近年ではカーナビゲーションやスマートフォンのGPS情報を利用したゲームなど、位置情報を利用した様々なサービスが展開されています。これらの位置情報はG空間情報(地理空間情報)と呼ばれています。
一般社団法人 社会基盤情報流通推進協議会様は、これらのG空間情報の収集・配信・利用活用の整備を行い、新規産業の創出や地域課題の解決支援などを行っています。

G空間情報センター(https://www.geospatial.jp/)は国家プロジェクトとして、これらの取り組みを更に加速させ、産官学を問わず、組織の壁を越えた多様なデータの統合・融合と価値創出を実現し、官民等が保有するG空間情報をワンストップで自由に組み合わせて入手できる場を提供するデータカタログサイトです。

Drupalを利用した経緯

ANNAではサイトの開発にあたり、世界中のデータカタログサイトの現状についての調査段階から関わらせていただきました。調査の結果、スクラッチ開発のデータカタログ、DrupalやWordPress等の既存CMSのカスタマイズ、データカタログサイト構築用のオープンソースソフトウェアCKANの単独利用、CKAN+WordpressやCKAN+DrupalなどCMSとCKANとの併用、また、CKANの機能をDrupalで再現したDKANと呼ばれるパッケージを利用しているケースなど、さまざまな実装方法が存在することがわかりました。

これらの各構成には以下のメリットとデメリットがありました。これらのメリットとデメリットを考慮した結果、CKAN+Drupalを採用する事に至りました。

  メリット デメリット
CKAN単独 構成がシンプル CMS機能がなく、コンテンツ管理、ユーザー連携などが難しい。 デザインの変更や機能拡張が難しい。
CKAN+Drupal Drupalのフロントエンド機能やユーザー管理機能を利用できる。 他のシステムとの連携が比較的容易。 CKANとCMSとの連携機能を構築する必要がある。
DKAN 全ての機能をDrupalの統一されたシステムで利用可能。 Drupal Distributionのカスタマイズにノウハウが必要。

この構成を選択した理由としては、巨大なGISデータを格納し、データをプレビューし、分割して販売する複雑なシステムを多人数で開発するため、ユニットを分割する必要があったためです。DrupalはCKAN、LDAP、Redmine、地図表示システム、カートシステム等、複数のシステム間連携の要となる重要な役割を担っています。
これにより、Drupalの持つユーザー情報を他のシステムで利用できるようにし、異なる複数のシステム間をシームレスに利用できる環境を実現しました。いわば、Drupalをデータ統合の核として利用した構成となります。
また、フロントエンドにDrupalを利用することによりデザインの変更やコンテンツの見せ方など、CKAN単独では対応が困難なカスタマイズに対して柔軟に対応できる仕様となっています。
 

データのプレビュー機能

京都市データポータルサイト


データを購入できるカート機能

G空間情報センター

 

実装機能紹介

DrupalとCKANの連携機能

Drupal側で作成したユーザー情報とCKANのユーザー情報の連携や、データ検索時にDrupalの検索フォームに入力された情報をCKANに受け渡し、検索結果を表示する機能です。これにより、フロントエンドのDrupalとCKANを1つのシステムのようにシームレスに利用する事が可能です。
 

京都市データポータルサイト

 

DrupalとLDAPの連携機能

Drupal側で作成したユーザー情報をLDAPのユーザーとして追加し、別のシステムからも認証機能を使えるようにする機能です。ユーザーはDrupalの統一されたUI上からユーザーの管理を行う事が可能です。
 

京都市データポータルサイト

Drupalのユーザー管理ページでユーザー登録を行うと、LDAPにもユーザーが作成される

DrupalとRedmineの連携機能

Drupal上のお問い合わせフォームからの投稿や、組織情報に関する登録をRedmineのチケット化する機能です。RedmineのAPIを利用して実現しました。
 

G空間情報センター

フォームに入力された内容がRedmineのチケットとして作成される

 

ANNAIはDrupalに関するコンサルティングからクライアントをサポートします。

この事例では世界中のデータカタログサイトの現状を調査し、今回の要望に最適な構成の提案をさせていただきました。今回はCKANとDrupalを連携させましたが、ANNAIではDrupalによるデータポータルサイト構築パッケージのDKANによる開発実績も多数ございます。データポータルをご検討の際は、ぜひご相談ください。

ANNAIではクライアントにDrupalを用いた最適なソリューションを提供するための、コンサルティングにも重点を置いております。Drupalをどのように活用するのが最も効果的か。また、どこまでをDrupalで行うべきかなどの見極めはDrupalを専門に開発しているANNAIにぜひお任せください。